祖父が亡くなりました時に、病院から祖父を家に迎える時、親戚の静子さんが「大きな声で祖父に呼ばれたのだ。」と話し出しました。
お通夜の時に、親戚たちに話だして、回りの人たちもフンフンと頷いて聞いています。
祖父の子供たちも孫たちも、誰も、祖父が亡くなってから、祖父の声を聞けた人はいないのです。
しかし、祖父の伯母であった静子さんは祖父の声は大きくて強い声だった、と言っていました。
「今は聴こえる?」と静子さんに聞いてみますと、静子さんは、「いいえ。」と首を振ります。
祖母は、「聴こえないけれども、やはり葬儀には、大婆さんの時と同じように、お坊さんと楽隊さんを呼ぼう。」と言い出しました。
「楽隊さんは、もうやめておいたら。」と息子さんが言います。
「でもね、お祖父ちゃんも雅楽を聞いていると思うと、やっぱり呼びたいな。」祖母が言いました。

仏様の声が聴こえる人と、聴こえない人がいるという不思議と、聴こえる人も、何時も聞こえているわけではない、という不思議な話はお通夜とお葬式の間でずっとヒソヒソと話し合われていました。

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